近年、頻繁に耳にするのが「ベンチャー企業」や「スタートアップ」の言葉です。社歴が浅い新興企業を指しており、転職先として検討されるケースも多くなっています。
しかし、ベンチャー企業に対して十分な知識がなく「自身の就職先に適しているのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ベンチャー企業の意味と、中小企業やスタートアップとの違いを中心にご紹介します。
- ベンチャー企業を正しく理解して、企業選びの参考にしたい
- キャリアアップのために成長できる環境を探している
- 自身がベンチャー企業に適しているのかを知りたい
という方はこの記事を参考にすると、ベンチャー企業の概要を理解できるほか、ベンチャー企業に向いている人の特徴も分かります。
目次
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とは、新規事業を展開している設立間もない企業を指します。
ベンチャーは英語で「冒険的事業」の意味を持っており、新規性のある事業に取り組む企業の多くが「ベンチャー企業」に該当します。また、社歴が浅いので、従業員数が比較的少ない点も特徴です。
なお、ベンチャー企業に「設立〇〇年以内」といった正確な定義は存在しません。そのため、多様な企業が「ベンチャー企業」の看板を掲げており「ベンチャー企業」という言葉だけでは、事業内容や社風を判断できない点に注意しましょう。
ベンチャー企業とほかの類語との違い
ここでは、ベンチャー企業とほかの類語との違いを紹介します。ベンチャー企業の特性を詳しく知りたい方は必見です。
ベンチャー企業と中小企業の違い
中小企業は小規模な法人を指す言葉で、ベンチャー企業と異なり明確な定義があります。
中小企業庁のサイトでは「中小企業の定義」を確認できます。業種ごとに定義が異なり、サービス業であれば「資本金または出資の額が5千万円以下の会社」もしくは「従業員の数が100人以下の会社及び個人」となっています。
中小企業の特徴のひとつに「従業員の少なさ」があり、これは多くのベンチャー企業に該当する特徴です。そのため、ほとんどのベンチャー企業は中小企業とみなされます。
ベンチャー企業とスタートアップ企業の違い
スタートアップ企業は、ベンチャー企業のうち「新規性のあるビジネスモデルを確立している会社」を指す名称です。
ベンチャーよりも新規性や独自性が高い点が特徴です。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの著名企業も、新たなビジネスモデルを社会に浸透させた点で、スタートアップのひとつに数えられます。
スタートアップ企業は独自性を極めている点で将来の見通しが明るいので、転職先としておすすめです。たとえば、日本のスタートアップ企業として、シンプルな情報共有ツール「Stock」を提供している株式会社Stockなどが挙げられます。
ベンチャー企業と社内ベンチャーの違い
社内ベンチャーは社内にある新規事業の立案部隊であり、独立した企業ではない点でベンチャー企業と異なります。
社内ベンチャーは「既存事業以外の新たな利益源をつくること」を目的として
設立されます。日本にも浸透しつつある取り組みであり、大手企業を中心にさまざまな会社で実施されています。
社内ベンチャーは企業内で運営するので、法人登記などは必要ありません。ただし、独立した組織ではないため、転職先の候補としては適さない点に注意しましょう。
ベンチャー企業とメガベンチャーの違い
メガベンチャーは大規模な新興企業であり、多くのベンチャー企業とは従業員数が異なります。
メガベンチャーの一例として、株式会社サイバーエージェントや株式会社メルカリなどが挙げられます。それぞれ、従業員が1,000名を超える巨大組織であり、社会への影響力が大きい事業を担っている点が特徴です。
ただし、従業員数が多いため、人数の少ない一般的なベンチャー企業をイメージして入社すると、ミスマッチとなりかねない点に注意しましょう。したがって、「自身が働きたい職場環境」を明確に決めたうえで企業を選ぶのがおすすめです。
ベンチャー企業とユニコーン企業の違い
ユニコーン企業は、企業評価額が10億ドル以上の非上場企業を指しており、ベンチャー企業の一種に数えられます。
具体的には、以下の項目すべてを満たす企業がユニコーン企業と呼ばれます。
- 設立10年以内
- 企業評価額が10億ドル以上
- 非上場企業
- テクノロジー企業(IT企業など)
ユニコーン企業は、多くのベンチャー企業と比べて高い成果を挙げている点が特徴です。そのため、市場価値が高い企業で働きたい方には、ユニコーン企業への転職が適しています。
ベンチャー企業が多い業界とは
以下では、ベンチャー企業が多い5業界を紹介します。
- IT・Web業界
- 不動産業界
- 環境保護業界
- 人材業界
- 介護業界
IT・Web業界のベンチャー企業は、近年急激に増えています。IT化やDX化が注目されるなかで需要も高まっており、転職の選択肢としてとくにおすすめな業界です。
不動産業界に属するベンチャー企業も増えています。不動産には、顧客の希望に合った物件を提案したり、内見の準備をしたりするさまざまな業務があるため、ITを使って効率化しやすい点が特徴です。
環境保護業界にも多くのベンチャー企業が属しています。SDGsの普及に伴い、企業活動における環境負荷の低減ニーズが高まっているので、参入しがいのある業界だと言えます。
著名な大手企業が属する人材業界でも、複数のベンチャー企業が生まれています。転職が当たり前になった現代、人材業界へのニーズも高まっており、参入しやすい点が特徴です。
介護業界に属するベンチャー企業も増えています。少子高齢化が進む日本において介護需要は増える一方であり、業績の増加を見込みやすくなっています。
以上のように、さまざまな業界でベンチャー企業が生まれています。そのため、「自身のキャリアを築きたい業界」を見極めたうえで転職先を決めるのがおすすめです。
【表で解説】べンチャー企業で働くメリットとデメリット
ベンチャー企業で働くメリットとデメリットは以下の通りです。
ベンチャー企業のメリット・デメリット | |
---|---|
メリット | デメリット |
|
|
このように、ベンチャー企業では迅速にスキルを得られる一方で、企業によっては倒産しかねない点に注意が必要です。そこで「ベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達している企業」を選べば、経営状況が良好なので、転職先が潰れるリスクを減らせます。
そのため、転職先で長く働きたい方には、グローバルに活躍するVCから計1億円の資金調達を実施した株式会社Stockのような「VCの支持を受けている企業」が適しています。
ベンチャー企業に向いている人
以下の項目に当てはまる方は、ベンチャー企業に向いています。
- 成長意欲がある人
- 主体的に動きたい人
- 新規事業を立ち上げたい人
多くのベンチャー企業は従業員数が少ないので、幅広く仕事を担える点が特徴です。そのため、キャリアアップに向けて成長したい方には、ベンチャー企業への転職が適しています。
多くのベンチャー企業ではマニュアルが十分に揃っていないため、自ら上司に質問するといった「主体的な働き方」が求められます。したがって、自ら仕組みづくりに挑戦したい方には最適な職場と言えます。
ベンチャー企業では新規事業を扱っているので、仕事を通して「新しい事業を軌道に乗せる経験」を積めます。そのため、事業立案に関心を持っている方には適した環境です。
上記に当てはまる方は、ベンチャー企業で働く適性があると言えます。一方で、合致する項目がなかったとしても、転職は自身を変えるきっかけになり得るので、関心を持った方はベンチャー企業へエントリーするのがおすすめです。
ベンチャー企業の意味のまとめ
ここまで、ベンチャー企業の意味と類語との違いなどを紹介しました。
ベンチャー企業は新規事業を扱っており、社歴の浅い点が特徴です。多くのベンチャー企業は従業員数も少ないため、責任の大きな職場でスムーズに成長したい方には最適な環境と言えます。
ただし、ベンチャー企業は大企業と比べて経営が不安定であり、倒産の恐れがある点に注意しましょう。そこで「ベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達している企業」を選べば、経営状況が良好と分かるので、転職先が潰れるリスクを減らせます。
したがって、ベンチャー企業への転職を検討している方は、ベンチャーキャピタルから支援を受けている企業の採用担当者と気軽に面談して、自身のやりたいことができる職場かを確認しましょう。
該当する募集はありません