業界業種問わず企業で長く勤務するうえでは、やりがいを持って働くことが重要です。一方、担当業務に対する「やりがい」がなければ、仕事のパフォーマンスが最大化しないことはもちろん、モチベーションが低下するので最終的には離職にもつながってしまうのです。
このような事態を避けるためにも、自身に合った仕事を探さなければならない一方、20代の転職希望者のなかには「どのような職場がやりがいを持てるのかがわからない」方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、やりがいのある仕事を探す方法から、やりがいを持って働くことで得られるメリットまでをご紹介します。
- 次の職場ではやりがいを持って働きたいものの、失敗せずに職場を選べるか不安
- やりがいのある職場を見つける手法があれば実践したい
- 大手ではなく、裁量のある中小企業やベンチャー企業で働きたい
という方は本記事を参考にすると、自身がどこに「やりがい」を感じるかがわかるうえ、最適な企業を見つけるヒントも得られます。
目次
20代が仕事に求めるやりがいとは
20代が仕事に求めるやりがいとして、エン転職の【20代の「仕事の価値観」実態調査】によると「スキルアップや自分の成⻑を実感すること」が回答の53%であり、過半数を超えています。
また、ほかにも株式会社学情のPRTIMESのリリースから、20代の仕事における「達成感」や「社会貢献への実感」がやりがいにつながっていることがわかります。
以上のように、社員として自身が結果を出せるようになると、やりがいが感じやすくなります。一方、大手企業では裁量が小さくやりがいを感じにくい傾向があるので、今日では成功体験が積みやすいベンチャー企業への転職がトレンドです。
20代にとってやりがいのある仕事がわかる4つの方法
ここでは、とくに20代の人が「自身にとってどのような仕事がやりがいを感じられるのか」がわかる方法4選を紹介します。以下の手法を使って正しく自己分析ができると、転職先とのミスマッチも防止できるうえ、やりがいも感じやすくなります。
(1)自身のやりがいがどのように生まれるかを把握する
まずは、どのような仕事やキャリアであれば「やりがい」を感じて楽しく働けるか、を把握する必要があります。
やりがいを考える代表的な手法に「名詞で考えるのではなく”動詞”で考える」分析が挙げられます。
たとえば、「前職は営業職をしていたので、その知見を活かしてより顧客と深く関われるようにコンサルタントの仕事がしてみたい」という希望では「営業職」「コンサルタント」の名詞が出ます。しかし、名詞でやりがいやキャリアを考えると”受け手によって解釈が異なる”ので、転職後に「思っていた業務と違った」のようなミスマッチに繋がってしまうのです。
そこで、自身のやりがいを「動詞」で考えましょう。「顧客と商談をする」「数値分析をする」「説得する」のように抽出すると、解釈が人によって異なることもなく、上記の「行動」をとると自身の好きなこと、すなわち「やりがい」を生むための行動がわかります。
(2)「やりたくないことは何か」を明確にする
やりがいが発生しない、自身の「やりたくないこと」の明確化も大切です。
やりたくないことを突き詰めると、やりがいを感じられない仕事に転職してしまうリスクを避けられます。ほかにも、たとえば「コミュニケーションの苦手な人が営業職に就く」「デスクワークが苦手な人がバックオフィスに就く」のような、ミスマッチが避けられるメリットもあるのです。
実際に、厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況によると、離職理由について26%の人が「満足のいく仕事内容でなかったから」と回答しています。したがって、「やりたいと思っていた仕事と違った」となるリスクを避けるためにも、やりたくないことの明確化が重要なのです。
(3)過去の深掘りをする
過去の深掘りをすることも、やりがいを感じる仕事探しに不可欠です。
過去とは、前職でどのような業務に取り組んできたかはもちろん、学生時代まで振り返ることがおすすめです。自身がしてきた行動に対して深掘りをすると「自分は何が好きで、どのようなことに熱中していたのか」「前職で取り組んだ業務の工夫・意識」がわかります。
一方、前職の業務がアピールできる内容ではなかったとしても、深掘りをすると「業務中には気づけなかった強み」や「やりがいを感じた行動」が明らかになります。
「やりがいのある仕事」が見つけられない人の特徴とは
ここでは、「やりがいのある仕事」がなかなか見つけられない人の特徴を解説します。以下の特徴に当てはまったまま転職先を決めると、ミスマッチの可能性が上がってしまうので注意しましょう。
求人の条件のみで仕事を選んでいる
「求人の条件のみ」を仕事選びの基準にしている人は、やりがいのある仕事が見つけられない可能性が高くなります。
求人票に記載の「企業紹介と条件」のみで判断すると、転職自体が目的になってしまいます。さらに、仕事でもやりがいが感じられず「何がしたいのか」が不明瞭となりかねません。
そのため、求人票の情報だけではなく、企業担当者との面談時に「条件の確認」や「実際に取り組む業務」を詳細にすり合わせることはもちろん、転職前の自己分析が大切となるのです。
次のステップに踏み出すまでのスピード感が遅い
スピード感が遅く、失敗することに抵抗感がある人も、やりがいのある仕事が見つけにくくなってしまいます。
失敗を恐れると過剰にミスを気にしたり、求人を探すことへのスピード感が保てなくなったりします。結果として、転職活動における手数も減るので、やりがいを感じる前に仕事へネガティブになったり、仕事に「どのようなやりがいを求めているか」もわからなくなってしまうのです。
また、過度に失敗を恐れると、成功体験が積みにくくなるので「やりがいがある仕事」に就いても充実感を感じにくくなります。失敗のリスクを考慮することは大切ではあるものの「過度に失敗を恐れる思考の癖」は意識して改善しましょう。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低いことも、やりがいのある仕事が見つけられない原因です。
自己肯定感が低い場合は、物事に挑戦するやる気が湧かないので「どの仕事であればやりがいが得られるのか」も把握しづらく、仕事の幅も狭くなってしまうのです。一方、内閣府の「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」によると、諸外国と比較して自己肯定感のある若年層(13〜29歳)の割合が45.8%と低いことも分かっています。
以上のデータから、自己肯定感の低さは自身に原因があるのではなく、国民の特徴と言い換えられます。したがって、やりがいを感じられる仕事を見つけるためにも、自己肯定感の低さにフォーカスするのではなく「自身は何が得意で何ができるのか」の棚卸しを実施することが必要です。
やりがいのある仕事に就くと得られるメリット
ここでは、やりがいのある仕事ができると得られるメリットを紹介します。自身に合った仕事を選べている人は、常に以下のメリットを得ながら仕事を進めているのです。
人間関係で悩まない
自身の仕事にやりがいが感じられると、仕事の人間関係で悩みません。
仕事にやりがいを感じていると、同じ熱量を持ったチームメンバーと仕事を進められるので、人間関係が良好になるからです。逆に、やりがいのない仕事では他メンバーとの熱量にズレが生じ、コミュニケーションにもストレスがかかるので、人間関係や業務パフォーマンスに悪影響を及ぼしてしまうのです。
また、人間関係で悩むと最悪の場合、退職することにもつながりかねません。実際に、退職代行ニチロー「職場の人間関係に関するアンケート調査」によると、20代で「人間関係を理由に退職を考えたことがある人の割合」は54.0%にも上ります。
したがって、「やりがいのある仕事をすること」で「人間関係に悩まず仕事ができる」と言い換えられるのです。
裁量の大きい仕事ができる
裁量の大きい仕事ができる点もポイントです。
やりがいを持って仕事を進められると、前向きに仕事へ取り組むモチベーションが醸成されます。そのため、チームメンバーや上長から、新たな仕事や裁量の大きいプロジェクトのチャンスなどをもらいやすくなるのです。
また、「裁量の大きい仕事ができること」は自身の意見やアイデアを反映させられるので、自身がプロジェクトやチーム・企業を運営する実感も得やすくなり、さらなるやりがいも感じられます。このように、自身の仕事によって好循環を生み出せる点もポイントです。
頑張りが正しく評価される
頑張った分だけ評価される点もメリットのひとつです。
やりがいのある仕事ができると、モチベーションも向上するので、さらに高いパフォーマンスを発揮しようと積極的に仕事へ取り組めます。結果として、周りのメンバーへも頑張りが伝わり、数値としても結果に出やすくなるため、適切に評価がされるのです。
ただし、志望企業の評価制度が透明でなければ、どれほど頑張ったとしてもすべての仕事を評価されるとは限りません。したがって、経営陣が正しく「頑張りを評価すること」をメンバーに周知している企業がおすすめです。
心身の無理なく働ける
やりがいのある仕事ができると、心身に無理なく働けるメリットもあります。
やりがいを感じる仕事に就くと、達成感や充実感を求めつつ、自身の目標もストレッチ(少し頑張れば達成できるレベル)して設定できるようになるからです。一方、高すぎる目標は心身の健康を害し、低すぎる目標では達成感がないのでやりがいを感じられなくなってしまいます。
このように、やりがいを感じる仕事に就ければ、適切な目標設定スキルや心身のセルフマネジメント力が自然に身に付けられるうえ、前向きな感情を持って働きやすくなるのです。
一方、自身で対処できない問題を抱えて悩むことのないように、株式会社Stockのような「心身の健康」よりも大切なタスクは、絶対に存在しないといった文化を掲げる企業を選ぶと安心です。
やりがいのある仕事がわかる方法まとめ
ここまで、やりがいのある仕事がわかる方法や仕事で得られるメリットまでを紹介しました。
20代がやりがいのある仕事を見つける方法として、まずは自身の過去を深掘りしつつ「どのようなことに楽しさや嬉しさを感じるのか」の自己分析が大切です。また、自身にマッチする仕事が選べると、人間関係で悩まずに裁量の大きな仕事ができるので、スピーディなスキルアップも実現するのです。
一方で、求人の条件のみで就業先を決めたり、失敗を恐れて手数が少なくなったりすると、やりがいのある仕事が見つけられません。さらに、入社したとしてもミスマッチとなり、早期退職にもつながりかねないので注意すべきです。
したがって、入社後にどのような働き方になるかのイメージをつけるためにも、まずは志望企業の担当者と気軽に面談して、志望する仕事でやりがいが持てるかをチェックしましょう。
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