近年、人気の転職先として、人材不足で転職市場における需要が高いIT企業が注目を集めています。一方で、IT企業は専門的な業務に取り組むイメージが強く、ネット上では「文系がIT企業はきつい」という意見も上がっています。
なかには、IT企業への転職を検討しているものの、文系出身であるため「自身が活躍できるか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、文系でもIT企業で活躍できる理由を中心にご紹介します。
- 文系出身でIT企業への転職を検討している
- IT業界の種類や職種を把握して、IT企業で働くイメージを明確化したい
- 文系がIT企業に転職するためのポイントを押さえて、転職活動を円滑に進めたい
という方はこの記事を参考にすると、文系でもIT企業で活躍できる理由をが分かり、後悔しない転職をするヒントも得られます。
目次
【本当?】文系がIT企業はきついと言われる背景とは
文系がIT企業はきついと言われる背景として、ITスキルが不足している点が挙げられます。
文系出身者は、ITに関して専門的に学ぶ機会が少ないので、ITスキルが不足している傾向にあります。そのため、入社後に覚えなければならないことが多く、きついと感じる可能性があるのです。
ただし、IT企業で活躍する文系のメンバーも多いので、心配はありません。実際に、独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センターの「IT人材白書2020」によると、先端IT従事者の3割以上は、最終学歴での専門分野が「IT・情報系以外の文系」であり、多くの文系出身者がIT企業にて活躍していることが分かります。
文系でもIT企業で活躍できる理由とは
ここでは、文系でもIT企業で活躍できる理由について解説します。IT企業は「人材不足である」「入社後からでもスキルを身に付けられる」ため、文系でも十分に活躍できる可能性が高いです。
IT業界は人材不足だから
文系でもIT企業で活躍できる理由として、IT業界が人材不足である点が挙げられます。
近年、IT企業では、人材不足が深刻化しています。そのため、ITに関して専門的に学んでいない人でも「IT企業で活躍したい気概」があれば、文理を問わず採用されるケースが多いです。
実際に、独立行政法人情報処理推進機構の「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2021年度)」によると、事業戦略上必要なIT人材について、IT企業の8割以上が量・質ともに「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答しており、多くのIT企業でIT人材が不足していることが分かります。
文系の強みも活かせるから
IT企業では、文系の強みを活かして活躍できます。
例として、IT企業では、顧客やほかのメンバーとやりとりしながら円滑に業務を進める、高いコミュニケーション能力が必要です。また、仕様書や設計書を作成したり、顧客に自社商材について説明したりするには、文章力が求められます。
このように、IT企業では「コミュニケーション能力」や「文章力」など、文系のスキルを仕事に役立てながら働けるのです。
入社後からでもスキルを身に付けられるから
入社後からでもスキルを身に付けられる点も、文系でもIT企業で活躍できる理由のひとつです。
IT企業では、入社後に研修を実施している企業が多いです。また、OJT(On the Job Training/実務を通して必要なスキルを身に付ける教育制度のこと)にて、未経験での転職でも、入社後から実践的な知識を習得できる環境もあります。
したがって、文系でも、研修や実務を通してスキルを身に付けて、IT企業で活躍できます。ただし、企業の社員教育だけに頼るのではなく「業務に必要なスキルを積極的に身に付けるやる気」を持つことが重要です。
IT業界の4つの種類とは
ここでは、IT業界の4つの種類について解説します。IT企業への転職を検討している文系の人は、以下の内容を把握して、IT企業で働く明確なイメージを持ちましょう。
ソフトウェア業界
まずは、ソフトウェア業界です。
ソフトウェア業界では、ソフトウェア(コンピュータを働かせるためのプログラムのこと)を開発します。具体的には、アプリケーションや「Windows」「MacOS」などのOS(オペレーティングシステム)があり、顧客のニーズに合わせたソフトウェア開発に取り組みます。
このように、ソフトウェア業界は、日常的に使用するソフトウェアの開発を担うので、文系でも身近に感じやすい業界だと言えます。
ハードウェア業界
2つ目は、ハードウェア業界です。
ハードウェアとは、PC・スマホ・タブレット・家電など、目に見える電子機器を指します。ハードウェア業界では、これらのハードウェアを開発・製造・販売します。
また、ハードウェアの開発には資本力が必要になるので、大手企業が多く、雇用規模が大きい点が特徴です。
Web業界
3つ目はWeb業界です。
Web業界では、インターネットを活用したサービスを提供します。具体的には、一般ユーザーに向けて「SNS」や「通販サイト」などのサービスを提供したり、企業に向けてWebサイトを制作・運営したりします。
また、Web業界ではパソコンがあれば取り組める仕事も多いので、テレワークの導入率が高く、柔軟な働き方が可能な企業も多いです。
情報処理業界
最後に、情報処理業界です。
情報処理業界では、企業が情報システムを導入する際に必要なサービスを提供します。また、情報処理業界の企業は、システムの開発・保守・運用を一括して請け負う「SIer(エスアイヤー)企業」と、企業にエンジニアを派遣して目標達成を図る「SES(システムエンジニアリングサービス)企業」の2種類に分けられます。
このように、情報処理業界では、企業の業務内容に合わせてサービスを提供し、課題解決に取り組みます。
文系でも活躍できるIT企業の職種とは
ここでは、文系でも活躍できるIT企業の職種について解説します。IT企業の具体的な職種を把握して、自身に合っている職種を検討するヒントを得ましょう。
システムエンジニア(SE)
文系でも活躍できるIT企業の職種として、システムエンジニア(SE)が挙げられます。
システムエンジニアは、システム開発の上流工程を担うポジションです。たとえば、顧客へのヒアリングを実施してシステム開発の目的を明確にしたり、システムの具体的な機能を検討したりして、システム開発のプロジェクト全体に関わります。
システムエンジニアは、人材が不足しているため、文系でも活躍しやすい職種と言えます。ただし、転職者の場合は、システムエンジニアとしての経験が必要である点に注意しましょう。
セールス
セールスも、文系でも活躍できるIT企業の職種のひとつです。
IT企業のセールスでは、顧客に自社商材の使い方や魅力を説明して、営業活動に取り組みます。とくに、自社商材に関する技術的な知識が求められる点が特徴です。
したがって、セールスでは、文系でも「高いコミュニケーション能力」や「プレゼンテーション能力」などの強みを発揮しながら活躍できます。
ITコンサルタント
文系でも、ITコンサルタントとしてIT企業で活躍できます。
ITコンサルタントは、企業の課題を解決するために、自社商材の活用方法を提案するポジションです。例として、「企業の経営戦略に合わせてIT戦略を策定する」「必要なシステムの開発・導入を支援する」などの業務に取り組みます。
ITコンサルタントには、顧客と円滑にやりとりして、企業の課題を把握したり原因を特定したりする「コミュニケーション能力」や「ヒアリング力」が重要視されるので、文系でも挑戦しやすい職種です。
プロジェクトマネージャー
IT企業では、プロジェクトマネージャーとして活躍している文系のメンバーも多いです。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理するポジションです。たとえば、プロジェクトのチームを編成したり、予算や進捗を管理したりして、プロジェクトが円滑に進めるようにサポートします。
したがって、文系でも、メンバーとやりとりして連携を強化する「コミュニケーション能力」や広い視野で物事を見る「全体を俯瞰する力」などを発揮して、プロジェクトマネージャーとして活躍できます。
文系がIT企業に転職するためのポイントとは
文系がIT企業に転職するためには、以下のポイントを気を付ける必要があります。
- IT業界全体の基本的な知識を身につける
- 企業と業界の仕組みを理解する
- 志望動機を深掘りする
業界とのミスマッチを防止するには、志望する業界への理解を深め、その業界で働くイメージを具体的に持つ点が重要です。そこで、自身が取り組みたい業務を明確にしつつ、IT業界全体の基本的な知識を身につけておきましょう。
IT業界のなかでも、業界の種類や企業によって特徴は異なります。そのため、企業と業界の仕組みを理解して、志望企業の「企業理念」や「提供する商材」などを把握しておくことがポイントです。
志望動機は、企業へ自らをアピールできる重要な項目です。そこで、志望動機を深堀りして、文系だからこそアピールできる「能力・経験」「興味・関心」「活動意欲」を伝えましょう。
このように、転職後のギャップを防ぐには、業界や企業への理解を深めつつ、自身の志望動機を深掘りして説得力を持たせる必要がある点に注意しましょう。
文系でもIT企業で活躍できる理由まとめ
ここまで、文系でもIT企業で活躍できる理由を中心にご紹介しました。
文系は、ITスキルが不足している傾向があるので、入社後に覚えなければならない業務も多くなります。しかし、IT業界は人材不足であり、文系でも入社後からスキルを身に付けつつ文系の強みを活かして働けることからも、文系でもIT企業で活躍できる可能性は高いのです。
一方で、IT企業のなかでも、業界や企業によって商材や業務内容は異なります。そのため、業界・企業とのミスマッチを防ぐには、企業に対する理解を深めなければなりません。
そこで、新たなキャリアとしてIT企業への転職を検討している文系の方は、まずは気軽に志望企業の担当者と面談を申し込み、その企業にてどのような業務に取り組めるのかを確認しましょう。
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