20代の人におすすめな転職先のひとつとして「SaaS企業」が挙げられます。SaaS(Software as a Service)はソフトウェアを自社開発し、インターネット経由でユーザーにサービスとして提供する形態を指します。
新型コロナウイルスの蔓延によって働き方も変化したことにより、今後も成長の見込みがある業界です。一方で、なかにはSaaS系企業への転職を希望していても理解が浅く、本当におすすめな業界なのか懸念がある20代の人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SaaS企業は未経験からの転職におすすめな理由や転職を成功させるコツを中心に解説します。
- SaaS企業に転職したいが未経験であることに不安を抱えている
- SaaS企業への転職で、どのような働き方ができるかをイメージしたい
- 勢いのあるSaaS企業にチャレンジしてみたい
という人は本記事を参考にすると、SaaS系企業が未経験に取っておすすめな理由がわかり、どのような企業へ転職すべきかのヒントも得られます。
目次
SaaS企業への転職は未経験におすすめな理由とは?
結論として、SaaS企業に未経験で入社することはおすすめと言えます。そこで以下では、未経験でもSaaS企業が転職先として「なぜおすすめなのか」の理由を紹介します。
将来性がある
まずは、業界全体として将来性があることが挙げられます。
BOXIL MagazineのSaaS業界レポート2021によると「2025年のSaaS市場規模は1兆5,000億円規模まで成長する」ことが見込まれています。そのため、市場が停滞している業界へ転職するよりも、SaaS企業へ転職する方が待遇はもちろん、自身の成長スピードも高められるのです。
また、今日ではテレワークをはじめとした働き方の変化が、業界業種問わず浸透しています。そのなかで、業務を円滑に進めるには、SaaS企業が展開する「チャットツール」「情報共有ツール」が必須になるので、幅広い業界業種の企業の効率化に貢献できる点もポイントです。
幅広い業務を経験できる
幅広い業務を経験できる点も、SaaS企業のおすすめなポイントです。
SaaS企業はほかの業界と比較すると、設立から間もないベンチャー企業であることが多い傾向があります。また、社員の人数は大手よりも少なく、さまざまな業務を兼任する機会も多いので、さまざまなスキルや経験が得られるのです。
たとえば、インサイドセールスとSNS運用を兼任したり、入社1・2年でマネジメントが経験できたりするなど、仕事のチャンスに恵まれていると言えます。
高い視座で仕事ができる
高い視座で仕事ができる点も、無視できないおすすめポイントになります。
SaaS企業では、代表取締役や役員メンバーとの距離が近く、20代未経験の入社であっても、経営陣と同じ視座で仕事を進められます。また、自身がやりたいと思った業務はすぐにチャレンジ可能な「スピード感のある環境」で仕事ができる点もメリットです。
そして、高い視座で仕事ができるかどうかは「企業のミッション」からもわかります。たとえば、株式会社Stockの「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションのように「簡潔かつ明確」であると、仕事の隅々までミッションが浸透しているので「何のための仕事かわからなくなるストレス」がかかりません。
未経験でもSaaS企業への転職を成功させるために必要なコツとは
ここでは、20代未経験でもSaaS企業への転職を成功させるために必要なコツを解説します。転職後に活躍している人は、以下のポイントを押さえて入社しているのです。
SaaSビジネスの概要を理解する
まずは、SaaS業界の概要を把握しておくことが大切です。
SaaS業界にも「データ分析」「店舗運営」「セキュリティ」「情報共有」など、さまざまなジャンルがあります。そのため、志望する企業がどのジャンルに属するのか、競合はどこになるかといった基本的な事項を押さえておくと、面接時にも的確な回答ができるのです。
また、志望するSaaS企業の属性はITreviewのカオスマップなどを使って把握したり、競合やトレンドをあらかじめ理解したりしておくことが大切です。
志望企業の特徴を理解する
志望企業が「どのようなプロダクトを展開しているか」の特徴も把握しておくべきです。
上記画像の通り、SaaS業界全体では、各社から数千以上のプロダクトが展開されています。自身が「ほかのプロダクトではなく、なぜ志望企業のプロダクトに魅力を感じたか」を明確にしたり、企業が「どのような人材が欲しいか」をイメージしたりするためにも、志望企業の特徴を押さえるべきなのです。
見るべき媒体は志望企業の公式サイトはもちろん、プレスリリースや業界雑誌などもチェックしておきましょう。
志望する職種への理解を深める
20代未経験の転職であっても、自身が志望する職種への理解が必須です。
未経験からキャリアチェンジでSaaS業界に挑戦するにあたり、職種理解ができていなければ、ミスマッチとなってしまう可能性が高くなるからです。一方、未経験であっても応募前に、自身が志望する職種の理解が深まっていると入社後のイメージが掴みやすくなるうえ、面接時の回答にも説得力が増します。
とくに、SaaS業界とそのほかの業界では、同じ職種でも業務内容が異なるので注意しましょう。たとえば、SaaS企業の「営業職」は「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」のように分類され、それぞれ役割が異なります。
入社後に「こんなはずではなかった」となる事態を防ぐためにも、必ず「志望職種はどのような業務内容なのか」を押さえるべきなのです。
SaaS企業における主な職種7選
ここでは、SaaS企業における主な職種7選をご紹介します。自身がどの職種にチャレンジしたいかを明確にするためにも、以下を参考に判断しましょう。
インサイドセールス
インサイドセールスとは主に、架電やZoomを使って、顧客へアプローチや商談のアポイントを設定するまでを担うポジションです。
マーケティング活動で集めた顧客リストから、見込み顧客へと育成するためにフォローをすることも大切な役目となります。
従来では、ターゲットの選定から契約までセールスが一貫して担当していました。しかし、今日ではオンラインでの商談が一般化している事実から、商談まで実施するインサイドセールスも多いのです。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは自社のプロダクトを通して、顧客の成功を達成できるようにフォローをするポジションです。
とくに、SaaS業界ではプロダクトの継続率やLTV(顧客生涯価値)の高さが重要となるので、カスタマーサクセスは「顧客から出た要望や不満」を解消するためにも重要なポジションなのです。
一般的な「営業職」とは異なるものの、20代未経験でもコミュニケーション能力に長けている人にとって、親和性の高い職種となります。
エンジニア
エンジニアは自社プロダクトの開発や改善、バグ修正をはじめとした、設計から運用までを担当するポジションです。
プロダクトの開発や改善にはプログラミングのスキルが必要になるので、未経験からの転職は難しいです。一方、今日ではプログラミングスクールを卒業して「職種未経験」から、SaaS企業のエンジニアに転職する人も増えています。
自身が開発したプロダクトが、そのままユーザーの悩み解消に直結するので、充実感のある仕事と言えます。
マーケター
マーケターは、新規顧客との接点をつくるために、マーケティング戦略を考案・実践・改善するポジションです。
顧客接点の創出が主な業務であり、成果が数値として見えやすく、責任が求められる仕事のひとつです。しかし、試行錯誤を繰り返しながら、さまざまな戦略設計を考案し実行するので、企画力や行動力が活かせるポジションとなります。
具体的には、オウンドメディアの立ち上げから運営、広告出稿、SNSの活用、メルマガの配信など担当業務は多岐に渡ります。
バックオフィス
バックオフィスは受付や社内の備品管理、経営陣の秘書業務など、メンバーが快適に仕事ができるように社内整備をするポジションです。
企業によって業務範囲が異なるものの「請求書管理」「社会保険・税に関する手続き」なども担当するため、企業活動の根幹を担う仕事であると言えます。
経営資源を包括的に管理するので、細かな作業やコツコツ取り組むことに得意な人は向いている職種といえます。
人事・採用担当
人事・採用担当は主に、経営陣とともに採用計画の策定から実行までを担当する、企業の成長に欠かせないポジションです。
選考の実施はもちろん、求人の掲載媒体を策定したり募集要項の作成をしたりします。とくに、SaaS企業はベンチャー企業も多く、採用チームが整っていないことも多いので、組織構築に携われる可能性もあるのです。
実務では候補者や採用媒体の担当者とのコミュニケーションが発生するので、スケジュール管理力や「企業のPRポイントを発信する」言語化能力が求められる仕事です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、社内外で発生したプロジェクトが期日までに完了できるようにメンバー・スケジュール管理をするポジションです。
とくに、社内外のメンバーをマネジメントするなかでも、高いコミュケーション力やスケジュール管理力、課題抽出力や論理的思考力といったさまざまな力が求められます。
一方、SaaS企業では20代のメンバーがプロジェクトマネージャーを担当するケースも多く、裁量の大きな仕事ができる点は魅力です。
成長中の国内SaaS企業7選
以下では、国内でも成長が著しい企業を7選ご紹介します。自身との価値観や働き方とマッチする企業には、積極的にアプローチをかけることがおすすめです。
株式会社Stock
株式会社Stockは東京都中央区に拠点を置く、情報共有ツール「Stock」を展開するSaaS企業です。
情報共有ツール「Stock」は、非IT企業の65歳以上のメンバーでも使えるほどシンプルなツールです。また、「心身の健康」よりも大切なタスクは、絶対に存在しない、という考え方が浸透しているので、スピード感を持ちながらも無理な働き方をするメンバーがいない点も特徴です。
社内メンバーのインタビュー記事も豊富に掲載されており、読むことで働き方のイメージがつかみやすくなります。
株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは東京都港区の本社を中心に、ほかにも7拠点を展開するSaaS企業です。
同社は法人向けに「Money Forwardクラウド」という、バックオフィス向けのプロダクトを展開しています。
ほかにも、個人向けや金融機関向けに、家計や資産が管理できる「「Money Forward ME」や「「Money Forward Fintech Platform」などもリリースしていることもポイントです。
画像引用および参考:https://corp.moneyforward.com/
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は、全国10拠点があり「サイボウズOffice」や「kintone」などのグループウェアを展開する企業です。
同社は「100人100通りの働き方」の実現に向けて、個人に合わせた働き方の制度を設けている点が特徴です。
また、求職者向けに質疑応答ができる「サイボウズQ&Aライブ」や、社員と気軽に会話できる「キャリアBAR」などユニークなイベントも開催しています。
画像引用および参考:https://topics.cybozu.co.jp/
freee株式会社
freee株式会社は、東京都品川区に本社があり、ほか3拠点を展開するSaaS企業です。
同社は「freee会計」や「freee人事労務」をはじめとした、経理業務や給与管理などのバックオフィス業務を効率化できるプロダクトをリリースしています。
また、公式サイトに紐づく形で「採用ブログ」も公開されており、在籍メンバーのインタビューが豊富に掲載されています。
画像引用および参考:https://jobs.freee.co.jp/recruitblog/
株式会社SmartHR
株式会社SmartHRは、東京都港区に本社があり、ほか4拠点を展開するSaaS企業です。
同社はクラウド人事労務ソフトの「SmartHR」をリリースしており、人事労務ソフトの分野ではトップシェアを誇る企業です。
また、公式サイトの採用情報では、組織や働き方に関するコンテンツもあり、カジュアル面談も可能です。
画像引用および参考:https://smarthr.co.jp/
株式会社インフォマート
株式会社インフォマートは東京都港区に本社があり、ほか2拠点を展開するSaaS企業です。
同社は「BtoBプラットフォーム」と呼ばれる、請求書や受発注を効率化するサービスや、飲食・食品業界の売り手と買い手をマッチングさせるサービスをリリースしています。
また、採用情報では社員インタビューやオフィス風景なども掲載されています。
画像引用および参考:https://www.infomart.co.jp/index.asp
SATORI株式会社
SATORI株式会社は、東京都渋谷区に拠点を展開するSaaS企業です。
同社はMA(マーケティングオートメーション)ツールの「SATORI」をリリースしており、1,500社以上の企業が営業課題の解消とマーケティング業務の効率化を実現しています。
また、採用情報では社員インタビューやメンバー紹介などのコンテンツも豊富です。
画像引用および参考:https://satori.marketing/
SaaS企業は未経験からの転職におすすめ?のまとめ
ここまで、SaaS企業が未経験からの転職先におすすめな理由から、成長中のSaaS企業までを紹介しました。
SaaS企業への転職は将来性があるなか、高い視座を持ちつつ幅広い業務に携われるので、未経験からでもスキルをつけながら社会貢献ができるのです。ただし、いずれの企業であっても、選考前にSaaSの概要や企業の特徴、職種への理解が求められます。
また、志望企業の「採用情報に掲載されているコンテンツ」を読み込むと、入社後のイメージもつかみやすくミスマッチを避けられるので、一つひとつのチェックが必須です。
一方、SaaS企業は未経験や第二新卒の転職先に人気な企業群のひとつです。したがって、募集が終了する前に直接カジュアル面談を申し込み、社員や社長と話す機会を作ることがおすすめです。
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