近年、第二新卒という言葉が普及するほど、20代の若者にとって転職は身近となりました。一方で、インターネット上には企業情報があふれていることから、自身にマッチする志望企業を選べていない転職者も増えています。
企業の選定ポイントはさまざまあるものの、なかでも「企業文化」のチェックが大切です。とはいえ「どのような基準で企業文化を判断すればよいかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
したがって今回は、企業文化の重要性と転職者が押さえるべきポイントを中心に紹介します。
- 企業文化を吟味したうえで、後悔の無い転職を実現したい
- 良い企業文化と悪い企業文化を見極める基準が知りたい
- 建前に騙されず等身大の企業を理解してから、申し込みを検討したい
という方はこの記事を参考にすると、企業文化から転職を検討する重要性と、後悔しない転職を実現するヒントが得られます。
企業文化とは
企業文化とは「企業」と「従業員」との間で共通認識されている価値観や企業規範を指します。
それぞれの企業の経営方針や労働環境・ビジョンなど、営業活動を通して培われる文化です。また、働くメンバーも各企業の企業文化に則って仕事を進めているのです。
企業運営の中心となる考え方であるため、転職時に自身と企業文化にミスマッチがないか、入念に検討すべきと言えます。
企業文化の意義とは
ここでは、企業文化の意義を解説します。文化が企業に及ぼす具体的な影響を把握しつつ「自身にマッチする企業文化の企業」を選ぶ必要性を認識しましょう。
チームワークの最大化
明確な企業文化はチームワークを最大化させます。
社員の共感を獲得している企業文化は、多くのメンバーの判断指標や価値観の指標になります。したがって、企業全体で同じ価値観が共有されていれば、社員の帰属意識を高めつつ活発なコミュニケーションを発生させ、チームワークを最大化させるのです。
また、社員にとっても自身に適した企業文化は、やりがいやモチベーションが保ちやすい点も特徴です。
生産性向上
企業文化の確立は、生産性の向上に繋がります。
明確な企業文化や行動指針が全社員に浸透していると「企業の理想像」を常にメンバーが意識できます。したがって、メンバーの能動的な業務遂行を促せるため、生産性が向上するのです。
このように、ミッションや企業理念を掲げるだけでなく、社員一人ひとりが理解している状態を作りあげることが大切です。
事業成長
明確で魅力ある企業文化の構築は、事業成長にも貢献します。
モチベーションの高い人材の確保は、企業の持続的な発展に不可欠です。そこで、魅力ある企業文化を構築すると、企業文化に魅力を感じ応募する志願者が増えます。
入社前から企業文化に共感している志願者は、会社の方針に対する理解が深く、高いモチベーションで仕事をする人材となり得ます。また、入社後に企業文化とミスマッチを起こす可能性も少なく、離職率低下の効果も期待できるのです。
【20代転職者必見】企業文化を醸成する7要素
ここでは、転職で必ず確認すべき「企業文化を作る7要素」を紹介します。とくに、企業文化から企業と自身のマッチ度合いがわかるので、20代転職者の方は、志望企業における以下項目をチェックしてみましょう。
(1)ビジョン(Vision)
ビジョンとは、企業の理想の姿であり企業理念とも呼ばれます。
ビジョンは企業文化を醸造する中核です。会社の目指すべき指針であり、すべての業務はビジョンを達成する手段と捉えることもできます。
したがって、転職時にはビジョンに共感できるか検討すべきです。また、実際に働くメンバーがビジョンへの意識がない企業へ入らないように、ホームページや社員面談を通して、必ずビジョンが浸透しているか否かを確かめましょう。
(2)価値観(Values)
価値観とは、企業にとって「なにが重要で何が重要でないか」を判断する指標です。
とくに、中核的な価値観は「コアバリュー」と呼ばれ、企業文化を形作る重要な要素です。価値観はビジョンやミッションを達成する考え方や行動方針となります。
また、円滑な意思決定のためにも、メンバーに対し、バリューへの理解と納得感が重要です。したがって、企業研究の際には「多くのメンバーが共感できているか」「バリューに納得感はあるか」の2点を必ず確認しましょう。
(3)ストーリー(Narrative)
ストーリーとは、企業の持つ歴史のことです。
とくに、創業メンバーの創業エピソードや、商品やサービスの開発経緯は、企業文化を形作る重要な要素となります。なぜなら、これらのストーリーに対する納得感や強い共感は、社員の当事者意識を引き出し一体感を生むからです。
多くの企業では、ホームページで「ストーリーの紹介」が用意されているので確認が必須です。そこで、就業後のイメージをつけるためにも、株式会社Stockのように、ストーリーを細かく公開している企業の情報を読むことをおすすめします。
(4)人材(People)
企業文化の実践には、実際に働く人材が不可欠です。
とくに「企業理念」や「ビジョン」といった、企業文化の中核を担う要素に共感していない人材が多い企業は、やりがいの低下に繋がり離職率が高くなりやすい傾向にあります。そのため、転職を検討する企業の、離職率は参考にすべき指標です。
また、離職率の低い企業は、一人ひとりのメンバーを大切にしているので優秀な人材が離れにくいのです。したがって、入社前に社員面談を通して実際に働く人の声を参考にすることも、ミスマッチを防ぐ効果的な施策のひとつです。
(5)慣行(Practices)
慣行も企業文化の重要な要素のひとつです。
ビジョンやミッションがどれほど社会的意義を内包していても、日々の慣行や業務内容が伴っていなければ、形骸化していると言えます。社員がビジョンを常に意識し、達成に向けて行動している企業こそ良い企業文化の企業なのです。
ビジョンと実際の就労環境に乖離が無いか判断するには、実際に働く社員との面談が効果的です。採用面接はもちろん、関心のある企業には積極的に面談を設定し、慣行を確認してみましょう。
(6)場所(Place)
企業が本社を構える場所も、企業文化の醸成に重要な役割を持ちます。
たとえば、地方固有の技術を世界に広めたい企業が、その土地にオフィスを構えるなど、場所に込められた理念が企業文化を構築するケースがあります。オフィスを構える場所は、長期間同じであり社員にとっても思い入れを抱きやすいのです。
また、オフィスを構える場所に加え、デスクを配置する場所などの、社内環境も企業文化を形作る要素になり得ます。したがって、転職時には、オフィスを構える場所のチェックや企業の設けるオフィスツアーを活用し、場所や環境が自身に適しているかを検討しましょう。
(7)使命(Mission)
ミッションとは企業が果たすべき使命を指します。
具体的に、事業を通じて企業が成し遂げたい目標であり、全事業の基礎となる考え方です。そのため、自社の社会的意義や存在価値に関わり、ミッションへの共感は社員のやりがいに直結します。
ミッションを軸に転職するには、共感はもちろん具体性にも注目しましょう。ミッションとは、会社の目指すべき方法であり、抽象的なメッセージでは指針がぶれやすくなるのです。
たとえば、世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除くという明確なミッションを掲げる株式会社Stockであれば、社員全員がミッションを達成する環境で、やりがいと充実感を持って働けます。
【必見】悪い企業文化の特徴5選
以下では、転職時に気をつけるべき悪い企業文化について紹介します。以下の特徴に当てはまる場合には、やりがいも感じられず、継続的な勤務が難しくなるため注意しましょう。
職場の雰囲気が悪い
まず、職場の雰囲気や環境が悪い企業が挙げられます。
雰囲気の悪い職場とは「コミュニケーション不足の常態化」や「メリハリがなく就労意識が低い」などの社内状態を指します。このような企業文化が浸透している企業では、生産性が向上せずに各メンバーがやりがいを感じにくくなる弊害が生じかねません。
また、社員が居心地の悪さを感じる職場では、生産性がさらに低下する悪循環に陥る恐れがあります。職場環境は実際に働いてみて分かるケースが多いので、事前に面談等を通し企業理解を深めましょう。
スピード感が遅い
業界業種を問わず、スピード感の遅さが常態化している文化は良い状態とは言えません。
ビジネスにおいて時間は有限であり「スピード感がある程成果に結びつきやすい」と言えます。スピード感の遅い企業は、業務の優先順位を振り分けられず、顧客やチームの信頼関係を得づらくなります。
また、早い段階で業務を進めていけば仮に修正が必要になっても、納期に余裕が生まれるためクオリティを担保できます。このように、タスクに対しスピード感をもって消化する文化の根付く企業は、個人としてもチームとしても良い状態と言えるのです。
メンバーが感情的に動く
メンバーが論理性を欠き、感情的になりやすい職場環境も悪い企業文化と言えます。
年齢や職務関係に関わらず、メンバーの発言権に平等性を担保するには「論理的な議論」が重要です。しかし、職場環境の悪い企業では、フェアに議論する方向性を掲げるものの形骸化しており、発言権を持たないメンバーの意見が通らない事態が生じます。
各メンバーの意見を吸い上げるために会議を開いても、特定のメンバーの発言が影響力を持っていては、建設的な話し合いが難しくなります。したがって、メンバーが感情的で論理性に欠ける企業文化は、悪い企業文化と言えるのです。
ブラックな働き方が横行している
社員の健康を損なう恐れのある、ブラックな働き方を強制する企業も悪い企業文化と言えます。
ブラックな働き方が横行する背景には、タスクマネジメントや業務負荷が適正でないことが挙げられます。目標は高すぎても低すぎても、心身の健康を保てず業務に対するモチベーションの低下に繋がるのです。
一方で、良い文化を持つ企業は、適切なタスク管理でメンバーが成長を実感しながら就業し、高い勤労意欲を維持できます。そのため、株式会社Stockのような「心身の健康」よりも大切なタスクは、絶対に存在しないといった社員ファーストの姿勢を言語化している企業がおすすめです。
他責思考が強い
他責志向の強い文化も悪い企業文化の一例です。
スケジュール通り完璧に業務が進まず、予期せぬトラブルにより業務に支障や遅れが生じる事態は常に起こり得ます。企業文化として重要な点は、トラブルを防ぐこと以上に、問題に対して自責のマインドで対処できるか否かです。
自責志向の人は、担当業務に対し強いオーナシップを発揮しています。したがって、ほかのメンバーへ責任転嫁する企業文化が根付いてる場合は、各メンバーが担当業務へのオーナシップを持たず、やりがいを感じにくい職場環境と言えるのです。
企業文化の重要性や転職者が見るべきポイントまとめ
ここまで、企業文化の重要性や転職者が見るべきポイントを中心に紹介しました。
企業文化とは、企業が設立してから培ってきた会社の伝統と言えます。また、企業理念やミッションなど、企業の目指す方針も企業文化を形作る大きな要因です。
とくに転職時には、業務内容や報酬などだけではなく「企業文化を企業選びの軸」とする方法も、ミスマッチを防ぐうえでおすすめです。とはいえ、企業文化はホームページなどで確かめていても、企業の実態を把握することは難しいので、理念が形骸化していないか実際に働く社員に確認する必要があります。
したがって、企業文化を軸とした転職を考える方は、面談やオフィスツアーを通して実際に企業文化に触れつつ、自身に合う企業を選びましょう。
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