リクナビNEXTの調査によると20代から50代までの各年代ごとで、50%が「転職活動へアクションしたことがある」と回答していることからも、昨今では従来よりも転職への意識が変わってきたと言えます。
そして、20代の転職者の内訳として「一般の中途転職者」「第二新卒」と呼ばれる属性があります。しかし、なかには第二新卒のネガティブなイメージが先行してしまい、どのように転職活動を進めるべきかに悩む20代の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、第二新卒の概要から、第二新卒が転職活動を成功できる方法までを網羅的に解説します。
- 第二新卒となったものの、どのように転職活動を進めるべきか悩んでいる
- 第二新卒は「やめとけ」「やばい」という噂があるので、不安に感じている
- 無職の期間が続くのはまずいので、なんとかして優良企業に転職したい
という方は本記事を参考にすると、第二新卒への理解が深まり効果的な転職方法もわかるので、転職に関する不安や悩みも解消できるようになります。
目次
第二新卒とは
第二新卒に明確な定義はないものの、一般的には「学校卒業後に就職したが、3年以内に退職している20代」を指します。
定義がない理由としては、企業によって第二新卒の認識が異なるからです。たとえば、「25歳前後の転職希望者」「就業経験を問わない20代の転職希望者」などが挙げられ、最終学歴や前職の経験年数によっても企業ごとに定義が異なります。
一方、今日では「求人サイトの求人検索」に第二新卒の文言が使われたり「第二新卒専門の転職エージェント」も台頭したりしている背景から、20代の転職市場が伸びていることもわかります。
全国の第二新卒の割合とは
厚生労働省の「平成30年3⽉新規学卒就職者の離職率」では、大卒で全体の31.2%であることからも、約3人に1人が新卒入社後3年以内に離職をして、第二新卒になっているとわかります。
また、大卒者における離職率の高い産業TOP5は以下の通りです。
- 宿泊業・飲食サービス業:51.5%
- 生活関連サービス業・娯楽業:46.5%
- 教育・学習支援業:45.6%
- 医療、福祉:38.6%
- 小売業:37.4%
このように、とくにtoC向けのサービスや商材を扱う産業にて離職率が高い共通点があります。したがって、第二新卒の長期的なキャリア形成には、上記以外の産業へと転職することがおすすめです。
企業が第二新卒を必要としている背景とは
ここでは、企業が第二新卒を必要としている背景を解説します。転職活動前に背景を把握しておくと、企業の意図が把握しやすくなり、選考時における「説得力のある説明」にも役立ちます。
新卒採用で不足した人材の確保
新卒採用で不足した人材を確保するため、が挙げられます。
とくに、新卒採用にて大手・中小企業が一斉に採用活動を開始するなか、ネームバリューのある大手企業に人材が流入しがちです。また、中小企業やベンチャーでは教育体制が整っていないことも多いので、そもそも新卒採用ができない企業もあります。
そこで、「社会人経験が数ヶ月ないし数年ある20代」である第二新卒の採用を促進して、新卒採用で不足した分の人材を補完する企業も多いのです。
組織の活性化
組織を活性化させることを目的に、第二新卒の採用に踏み切る企業も少なくありません。
20代の第二新卒であれば、経験やスキルではなく「ポテンシャル」を重視して採用するので、将来性が期待できます。そして、採用した第二新卒のメンバーが成長すると、意欲的な姿勢がほかのメンバーへと波及し、組織活性化につながるのです。
また、組織が小さい企業が第二新卒を採用すると、社歴の長いメンバーがマネジメント業務を経験できるので、チームが強固になる効果も見込めます。
コアメンバー候補の確保
企業の中心となるコアメンバー候補を確保するために、第二新卒の採用を進める企業も多いです。
中途採用のメンバーでもコアメンバーになり得るものの、前職での経験やスキルが長い場合は、新たな企業に馴染むまでに時間がかかります。しかし、第二新卒であれば前職の社歴が短いことからも、スピーディに自社へ馴染めるので、企業のコアメンバーとしての活躍が期待できるのです。
一方、一部ではあるものの、入社したての第二新卒のメンバーに対し、スキルや経験に見合わないほどのタスクを任せてしまう企業・チームも存在します。そのため、「心身の健康」よりも大切なタスクは、絶対に存在しないという考え方を持つ、株式会社Stockのような企業へのエントリーがおすすめです。
20代に多い退職理由とは
Bizhitsの【20代が仕事を辞めたい理由ランキング】男女500人アンケート調査によると、20代に多い退職理由は以下の通りとなっています。
- 1位:人間関係がツライ(168票)
- 2位:収入に不満(88票)
- 3位:仕事内容に不満(76票)
- 4位:長時間労働がツライ(58票)
- 5位:仕事が多すぎる(18票)
- 6位:叱られた(17票)
- 7位:体力的にツライ(16票)
とくに、人間関係に辛いと感じて退職する人が多い傾向にあるので、転職時には「志望企業の人間関係や風通しが良いか」は必ず確認しなければなりません。
第二新卒は「やばい」と言われる理由
ここでは、企業間やインターネット上で「第二新卒がやばい」と言われる理由を解説します。とくに、以下項目に当てはまっている人は、転職の選考時までに確実に対策をして、選考に臨まなければならない点に注意しましょう。
短期離職をしている
まずは、短期離職をしていることが「やばい」と言われがちです。
前職の「入社から退職」までの期間が短ければ短いほど、企業からすると「またすぐに辞められてしまうのではないか」と懸念を持たれやすくなるからです。したがって、選考時には納得できる理由はもちろん、経験・スキルから志望企業でどのようなことができるか、を説明できるようにしなければなりません。
ただし、前職がブラック企業であったなど、やむを得ない事情で退職した場合には正しく伝えましょう。
積極性がない
第二新卒の人のなかには、積極性がないことで「やばい」と言われるケースもあります。
企業側としては「将来性があり、やる気に満ちている第二新卒」を想定して採用を進めます。そのため、入社後に「実は言われたことだけしかやらない」人と判明すると、ギャップを感じて「やばい」と言われてしまうのです。
一方、すべての行動が受動的であり、言われたことだけしかできない人でも「事務職」や「大手企業」への転職を検討する選択肢もあります。逆に、ベンチャー企業などスピード感が求められる職場では、ミスマッチの可能性が高くなるので注意です。
社会人マナーに難がある
社会人マナーに難がある人も「やばい」と言われてしまうので注意しましょう。
第二新卒はすでに正社員経験があるので、社会人マナー研修などの「教育コストが削減できる」メリットがあります。しかし、正社員経験があったとしても、仕事をするうえで「挨拶ができない」「ミスをしたら『すみません』が言えない」など、基本的な社会人マナーができていない人は改善しなければなりません。
第二新卒は、新卒よりも正社員経験があることのメリットがある一方、基本的な所作はできていると「企業が考える期待値」が高くなる点は押さえるべきです。
いつまで「第二新卒」の枠で求人が探せるのか
結論として、第二新卒を募集する企業によって「第二新卒」の定義が異なるので、一般的には20代であれば第二新卒枠として転職活動ができます。
一方、同じ能力を持つ20代であったとしても、たとえば24歳と29歳では5年も差があるので、年齢が若いほど採用される可能性が高くなります。
また、年齢を重ねると一般の中途転職者と競争をすることとなるので、第二新卒枠で転職活動を進めるには、年齢が若い20代のうちに転職すべきと言えるのです。
20代未経験の第二新卒が使うべき転職活動の方法4選
以下では、20代で職種・業界未経験の人が使うべき転職活動の方法を紹介します。ひとつの方法だけではなく、併用すると相乗効果によって転職成功の可能性を上げられます。
求人サイトを使う
まずは、転職サイトを使う方法です。
第二新卒でも使える代表的なサービスとして「リクナビNEXT」や「マイナビ転職」が挙げられます。転職サイトごとに特徴は若干異なるものの、基本的には登録をすると自身の条件にあった求人を自由に検索できます。
そのため、「自身のペースで仕事を探したい」「やりたいことやキャリアビジョンが明確である」第二新卒の人にとっておすすめです。
転職エージェントを使う
次に「転職エージェント」を使う方法です。
転職エージェントとは求人サイトとは異なり、エージェントが企業と転職者の間に立ち、マッチングさせるサービスを指します。転職者側は無料で利用でき、求人紹介はもちろん書類選考や面接対策、入社後のサポートまで一貫して支援を受けられます。
したがって、「初めての転職活動で何をしたら良いかわからない」「やりたいこともわからないが転職に失敗したくない」第二新卒の人にとっておすすめです。
SNSを使う
今日では、SNSを使って転職活動をする20代の人も増加傾向にあり、主に以下の2パターンに分かれます。
- ビジネス系SNSを使った転職活動
- プライベートのSNSアカウントを使った転職活動
代表的なサービスとして「Linkedin」や「Wantedly」が挙げられます。主に、プロフィールには経歴やスキルなど「ビジネスに関係する項目のみ」登録し、上司や取引先、セミナーで知り合った同業者などとの交流を図ります。
「Twitter」や「Instagram」など、プライベートのSNSを使った転職活動です。プロフィールや投稿に「転職関連の#(ハッシュタグ)」をつけたり、DM(ダイレクトメッセージ)にて企業の担当者へ直接連絡する手法が挙げられます。
いずれの手法も、転職者と企業担当者との接点が気軽につくれる点が特徴です。しかし、入社時の条件などが明確に提示されていないまま面談や選考に進むケースもあるので、入社後に「思っていた条件と違う」とならないためにも、必ず双方で条件の確認が必要です。
企業のサイトから直接問い合わせる
企業のサイトから直接問い合わせる方法もおすすめです。
企業によっては記事コンテンツを通して自社に興味を持ってもらうために、採用サイトを別途設けている企業もあります。一方、採用サイトがなかったとしても、企業サイトの「問い合わせフォーム」から採用に関する問い合わせもできる企業も多いのです。
ただし、応募後は、企業と直接のやりとりとなるので、メール文言の言葉遣いや返信スピードには注意しましょう。
第二新卒の概要や転職の方法まとめ
ここまで、第二新卒の概要から、押さえておきたい転職活動の手法4選まで網羅的に紹介しました。
第二新卒の定義は企業によって異なるものの「学校卒業後に就職したが、3年以内に退職している20代」を指します。第二新卒はポテンシャルが期待されているので、社会人マナーを押さえつつ、積極的な振る舞いが必要です。
また、応募方法は求人サイトを筆頭に、SNSや直接応募という手法へと多様化しています。一方、いずれの手法でも、志望企業の規模を問わず、仕事に対する熱意や「スキルがなくてもチャレンジする気概」が求められるのです。
一方、第二新卒として転職活動を進めるためには、自己分析と同様に企業理解が必要なので、まずは志望企業の担当者と気軽に面談を申し込んで話を聞いてみましょう。
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