近年、裁量権を持って仕事ができる「ベンチャー企業」への転職を検討する人が増えています。なかでも、企業経営の中核を担う「事業企画」は、成長したい転職者に人気のポジションとして注目されているのです。
しかし、事業企画は難しいというイメージが先行して「自身が働くイメージがつかない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、事業企画に必要なスキルや適性・将来性など幅広くご紹介します。
- 事業企画の業務内容や求められるスキルを理解し、職業選択の幅を広げたい
- 20代のうちから裁量権の大きな仕事に関わり、スピード感を持って成長したい
- 事業企画について関心はあるが、自分が目指してよいのか自信が持てない
という方はこの記事を参考にすると、事業企画の具体的な業務内容がわかるうえ、自身に適した職業選びのヒントが得られます。
目次
事業企画とは
事業企画とは経営陣の会社運営方針に基づき、事業計画の作成・推進や事業課題を選定する部門です。
「事業」とは企業活動の中心で収益に直結します。したがって、事業企画は企業の生命線ともいえる業務のひとつであり、重要なポジションです。
事業企画の仕事内容
事業企画の仕事内容は大きく下記3つに分類できます。
- 事業目標の設定・達成計画の作成
- 事業進捗の管理
- 新事業への準備
事業を成長させる目標と達成に必要な計画を作成します。
事業が計画通り進んでいるか管理し、目標を達成するサポートします。
新規事業を成功させるために、顧客ニーズやマーケット調査などの下調べをします。
このように事業企画は、事業運用の中心として大きな裁量と責任があります。また、事業企画の担当者は経営方針を現場単位に落とし込み、成果を最大化させる、といった組織形成の先導も期待されています。
とはいえ、事業企画は長いキャリアを歩んだベテラン社員にしか務まらないわけではありません。むしろ、株式会社Stockのように若手メンバーの「柔軟な思考」や「積極的な挑戦」に期待し、年齢を問わずに裁量権を持たせる企業も存在するので、自身の希望キャリアと親和性の高い企業選びも重要です。
経営企画との違いとは
事業企画と経営企画は、企画を作成する対象が異なります。
事業企画は、企業の経済活動の総称である「事業」のなかでも、細分化された一つひとつの事業に対し裁量を持ちます。一方で、経営企画はより企業全体の運営方針を企画し、長期的なプランで企画を立案するのです。
また、一般的にベンチャー企業のような比較的規模の小さい企業では、経営企画者と事業担当者が兼任される傾向にあります。したがって、より大きな裁量をもって事業と経営に携わり、成長したいという方には「ベンチャー企業への就職」も選択肢のひとつです。
事業企画に必要なスキルとは
以下では、事業企画に求められるスキルを5つ紹介します。事業企画で成果をあげるために必要なスキルを事前に把握し、ミスマッチの無い職業選択に活かしましょう。
(1)マーケティングスキル
まず、事業企画にはマーケティングスキルが必須です。
事業企画には細分化された複数の業務がありますが「新規・既存に関わらず事業を成功させ、収益をあげること」が前提条件です。市場の動向や顧客のニーズ・嗜好を分析し、戦略を立てるマーケティングスキルは、事業成功に直結する必須のスキルなのです。
とくに、流行や価値観の変化が激しい現代では、確実なマーケティング調査は難しくなってきており、常に関心を広く持つ姿勢が重要です。また、マーケティングのIT化も進んでいるため、分析ツールに精通している場合も強みになります。
(2)マネジメントスキル
事業企画には高いマネジメントスキルが必要です。
事業は複数のメンバーで協力して成果を上げることが期待されます。事業によっては、チームメンバーのみならず「他部署」や「社外のメンバー」とチームを組むケースもあり、メンバーの目標を統一するように働きかけなければなりません。
また、事業企画は正確なタイムマネジメントをする必要があります。事業スケジュールの立案に加え、進行中の遅延や予定外の工程が生じても、最終的な締め切りに間に合うように成果を残さなければならない、責任の大きな業務なのです。
(3)営業スキル
高い営業スキルも事業企画には求められます。
事業企画に必要な営業力は「社外の顧客に対し自社製品を売り込む営業」とは異なります。事業企画としての営業は「社内に向けて事業そのものを売り込む営業」を指します。
新規事業を動かすには、まず社内の承認が必要になります。そのため、事業企画には「社内承認を得られる営業スキル」として、新規事業を進めるメリットや市場規模・具体的なプランを説明する営業スキルが必要です。
(4)財務管理スキル
経務や財務に関する知識や財務管理スキルも事業企画には重要です。
書類上の数値から損益を判断できなければ、客観的指標で事業を進められません。売上数値やランニングコストなどの、多様な項目を整理し、カネの流れを把握する財務管理スキルも事業企画に求められます。
たとえば、経営方針や事業に沿った「重要目標達成指標(KGI)」・「KGIを達成するためのプロセス(KPI)」などの数値を算出するためにも、財務管理に対する知識が必要なのです。
(5)コミュニケーションスキル
最後に、事業企画にはコミュニケーションスキルが求められます。
チームや部署の垣根を超え、多くのメンバーと協力して事業を進める事業企画では、コミュニケーションスキルが重要と言えます。また、メンバーの話を聞き要望を拾い上げるヒアリング力も、円滑なコミュニケーションには重要です。
とくに、事業企画は経営陣と現場の中間管理職をつなぐ、中継役としての役割も期待されます。相手の年齢や立場に関わらず、日々の情報共有によって、社内の認識を統一できるコミュニケーションスキルが事業企画には不可欠なのです。
事業企画に向いている人とは
以下では、事業企画に向いている人の特徴を2つ紹介します。事業企画の職業適性を見極め、自身に適してるか判断材料にしましょう。
巻き込み力のある人
はじめに、事業企画には「巻き込み力」のある人物が向いています。
巻き込み力とは、メンバーの主体的な動機を引き出し、協力して大きな成果をあげる力を指します。メンバーの業務に取り組む姿勢が異なるなかでも、巻き込み力の高い人は「能動的」に取り組む指示ができることが特徴です。
一方、巻き込み力は必須のスキルではないものの、過去に「周囲の人物を巻き込み、大きな成果を残した」などの具体的なエピソードがある場合は、事業企画との親和性を面接官にアピールできます。
分析力に長けている人
次に物事を分析力に長けている人も、事業企画に向いています。
事業企画は、事業の戦略立案や進捗遅延の追求など物事を分析する機会が多いです。そのため、事象に対して「俯瞰して分析できる人」・「観察力のある人」は事業企画に適していると言えます。
一方で、分析力は意識してトレーニングすることも可能です。日々の生活で生じた疑問に対し、SWOT分析(4つの観点から客観化する思考)などのフレームワークに当てはめる方法などを使って、日常的に分析を習慣化することがおすすめです。
事業企画の将来性とは
事業企画の将来性は高いと言えます。
企業の業績悪化や成長停滞が原因で、悪影響を受ける可能性もある一方、事業企画は会社運用の中核を担うポジションです。したがって、ポストとしての事業企画の将来性は高いと言えるのです。
一方で、新規事業を任されるケースもある事業企画は、社会のトレンドに敏感でなければなりません。そのため、事業企画として活躍し続けるには、市場の動向を常に把握する姿勢が重要です。
事業企画の仕事内容や求められるスキルまとめ
ここまで、事業企画の仕事内容や求められるスキルを中心に解説しました。
事業企画は企業運営の中核を担うポジションであり、大きな責任とやりがいのある業務と言えます。そのため、就職や転職先に事業企画を選ぶことは、スピード感のある成長に繋がりキャリアアップが見込めるのです。
また、早い段階で事業企画として裁量を持って働きたい方は、ベンチャーやスタートアップ企業がおすすめです。とはいえ、職業選びと同じく企業選びも重要であり、自身の価値観や希望のキャリアを踏まえ、ミスマッチを防ぐべきです。
そこで、事業企画への就職・転職を検討している方は、業務内容だけでなく「社風」や企業の掲げる「ミッション」を踏まえて企業理解を進めましょう。また、気軽に志望企業の担当者へ面談を申し込み、どのような働き方ができるのかを確認することもおすすめです。
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